コムサイズム (COMME CA ISM)
商圏の郊外化、百貨店の集客力低下、ショッピングセンターの台頭、ユニクロなどに代表される価格破壊、団塊ジュニア世代は結婚を迎え「パパ・ママ」化によるヤングファミリーの出現など、2000年代の社会的な構造変化を反映した特筆すべきブランドである。まだバブル経済の余韻を残し、その後の深刻な不況を予測しえなかった1993年の発足は先見の明があった。コムサイズムでは、極めて手頃な価格設定で、生活圏へも出店可能、対象を「家族みんな」として量販店モデルに近づけながらも、イメージを損なわない適度なブランド価値を維持。大人から幼児服まで扱い、ベビーカーを引いたママも負担なく入店できる店舗レイアウト。さらに張り付き接客の禁止、あらゆる商品の返品も可能。これらは高級感・希少性を謳い、高額販売を維持してきたブランドビジネスの常識を全く覆すものであった。従来空白であったゾーンを一気に開拓し、時代の要件にもマッチしたことで、コムサイズムは大成功の業態に成長した。上品な子供服で圧倒的な人気。現在、同社では利益の半分程度をイズム業態が稼ぎ出すと見られる。他社もこのカテゴリに追随しようとしたが、いずれも失敗に終わった。また、従来のライン・ヒエラルキーに変化が生じ、第二の廉価ライン「ボナ・ジョルナータ」は名称変更によりコムサブランド排除に踏み切った。
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