5月24日8時2分配信 産経新聞
損害保険主要6社の平成19年3月期連結決算が23日、出そろった。保険の売上高にあたる正味収入保険料は、保険金の不払い問題で行政処分を受けた三井住友海上火災保険と損害保険ジャパンが単体で減収となった。また、過去6番目となった台風13号の影響で保険金支払額が各社で軒並み増加。大手4社が連結ベースで減益となった。
保険金不払いをめぐり5、6月に業務停止処分を受けた2社の業績面の影響が目立った。単体の正味収入保険料は、三井住友海上火災が前年同期比1%、損保ジャパンは0・6%それぞれ減少した。三井住友海上は合併以来初の減収を余儀なくされた。
不払い問題の影響では、保険料に対して払った保険金の割合を示す損害率が各社で軒並み悪化した。東京海上日動火災保険は61・5%で0・9ポイント上昇。三井住友海上も3・4ポイント、損保ジャパンも3ポイント上昇した。
さらに、不払いの再発防止に向けたシステムの再構築などでコスト負担が増大。正味収入保険料のうち営業費用の割合を示す正味事業費率で、19年度は損保ジャパンが1・1%、三井住友海上は0・8%それぞれ増加するとの見通しだ。三井住友海上の池田克朗常務執行役員は「再発防止に必要な体制を整備するため、コストをかけることがゆくゆくのプラスにつながる」との考えを示した。
また、四国や九州に甚大な被害を及ぼした台風13号により、各社とも保険金支払額が軒並み膨らんだ。その結果、連結最終利益では、東京海上日動を傘下に持つミレアホールディングスと日本興亜損害保険が増益を確保したが、ほかの4社は減益を余儀なくされた。
一方で、運用面は株高や日銀による利上げの影響で好調に推移し、利息・配当金収入が軒並み増加。日本興亜ではリスク資産を圧縮する目的から株などを処分、有価証券売却益が前年度の4倍の495億円を計上した。
ただ、損保業界では、不払い問題だけでなく、火災保険料の取りすぎ問題などの不祥事が次々と表面化している。各社とも、「営業より信頼回復」(藤井康秀・日本興亜常務執行役員)と低姿勢だ
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